「皐盧庵の四季」カテゴリーアーカイブ

皐盧庵の四季の話題に関する記事です。

朝の水打ち

水打ち

開店前の朝の仕事は店先に水を打つことから始まります。

梅雨が明け、朝からうだるような暑さですが、
水を打つと少なし爽やかな風が起こります。

細かい埃などは水で洗い流すことができ、乾いた後に埃が舞い上がるのを防ぎます。

そして、店先を清めてお客様をお迎えする用意をするのです。

ご近所さんからは水を打つと涼しげやねぇとお声がかかります。

掃除、お清め、涼しげ、会話のきっかけ、一石ならぬ、一水四鳥の朝の水打ちです。

毎日釜をかける

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皐盧庵ではこの時期、店を入ったすぐのところにある四畳半の茶室には毎日炉に炭をおこして釜をかけています。
お店がそんなに混むことはないので、かけた釜のお湯を全く使わない日もあります。

けれど、今日くらいは釜をかけなくていいかと思ってサボっている日に限って火を入れなかったことを後悔することになるのです。

それにいつ来ていただいて良いように美味しいお茶をすぐにお出しできる用意をしておくことでお越しになられた時の喜びも一入というものです。

釜に火を入れることで部屋をほんのりあたためることも、釜の湯気で乾燥しがちな部屋を潤すこともできます。

今では炭を使うことができない茶室も増えているのでできる限り毎日炭で沸かしてた釜のお湯でお客様をお迎えしたいとおもいます。

炉開きと茶壺口切り

ずいぶんと久しぶりの投稿となってしまいました。

さて、皐盧庵茶舗は10月31日を境に5年目に入る事ができました。
それもこれもすべて支えていただいた皆様のお蔭と感謝申し上げます。

さて、旧暦の10月、は亥月といいます。今の暦では11月です。

亥月の亥の日に茶室の炉を開き、火を入れます。これが炉開き。
炉開き

イノシシは子だくさん、そして火を消すので火事が起きませんようにとの願いが込められています。
そして、炉開きで出てくるのが亥の子餅。徹底してイノシシ押しです。

この炉開きに合わせてお茶壺の口を切り新茶を味わって今年も良いお茶ができたことを祝うのが口切です。

茶壺の入った桐箱の蓋の裏に茶入日記というものを貼り付けます。
口切

茶壺の中には紙の袋に入った濃茶とその周りを薄茶の葉で埋め尽くします。
封印された茶壺の蓋を開け、お茶の葉を皆で見てまた今年も新茶が飲めることを喜ぶのです。
大切な人や仲間と季節の移ろいを楽しみ、再び集まれたことを喜ぶ。
お茶はそんなことのためにあるのかもしれません。